
こんばんは、坂本です。今日は美浦トレセンからお届けしています。
さて、今週は悲しい訃報(ふほう)があり、大変びっくりしました。プロ野球の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督が6月3日に亡くなられて、日本中に衝撃が走りました。
今でも個人的に印象深い出来事は以前、野球担当だった時に一度だけ近くで取材したことです。あれは2010年7月のことで、ミスターの母校・立大の当時の監督だった砂押邦信氏のお通夜の取材でした。昼間に高校野球の取材をして、そこから喪服に着替えて会場に向かい、そこに長嶋さんが葬儀に参列するため、いらっしゃったのです。報道陣の輪の一部として取材に加わりましたが、初めて近くで見た長嶋さんに、厳粛な場でありながら妙に感動したことを覚えています。月並みな言い方ですが、本当にオーラがありました。心よりご冥福(めいふく)をお祈りいたします。
さて、それでは本題へいきましょう。まずは宮田厩舎からです。今週土曜日の東京・新馬戦(芝1600M)でデビューするゾロアストロ(牡、父モーリス、母アルミレーナ)は、すでに何度か取り上げているように注目馬の一頭ですね。1、2週前の追い切りに騎乗したルメール騎手が絶賛して、今週の最終追い切りも美浦・坂路で52秒5―12秒4の馬なりで格上古馬相手に互角の動き。宮田調教師は「優等生です。落ち着いて調教に取り組めているのがいいですね。見栄えのする馬体ですし、最初の新馬戦でいい結果を出したい」と、いつも以上にトーンは高かったです。POG的にドラフト1位候補でしょうが、決して指名して損はないと思います。
そして新種牡馬の産駒ではルージュアリスタ(牝、父コントレイル、母シャーラレイ)が、5月29日にゲート試験に合格して、6月3日に乗り込むために放牧に出ています。母はデルマーオークス(芝1800M)を勝ったG1馬で、まさしく良血馬ですね。宮田師は「まだトモ(後肢)の緩さが目立っていて、はまりの悪さがあったりするので時間をかけていきます。見栄えもいいし、コントレイル産駒でいい馬。広いコースがいいと思いますので、夏の新潟か秋の東京あたりを目指すことになると思います」と評価していました。気になる一頭です。
また5月23日にゲート試験に合格したティルベリー(牝、父ドレフォン、母グロリアーナ)は、6月4日に放牧に出ました。伯母にデニムアンドルビーやラーゴブルーなどの活躍馬がいる血統馬です。指揮官は「牧場さんから神経質ということを聞いていて、注意してやっていましたが、ゲートの受け入れは早くて学習能力が高いです。機敏な動きで仕上がり早と思います」と好感触でしたね。早ければ夏の新潟の最後あたりに間に合うかもしれません。
次は矢嶋厩舎にいきます。今週日曜日の東京・新馬戦(芝1400M)にナハトナナレオン(牝、父モーリス、母メモリーズ)がスタンバイしています。伯父に17年の報知杯弥生賞など重賞3勝を挙げたカデナ、09年の京王杯スプリングCを制したスズカコーズウェイがいる血統で、今年のJRAブリーズアップセールで2100万円で落札されました。今週は美浦・Wコースで6ハロン86秒2―11秒6を馬なりでマークして、騎乗した長浜騎手は「併せてからスイッチが入って、最後はいい感触の追い切りができました」と言っていましたね。矢嶋調教師に聞いても、「小柄な馬ですが、休ませずにやってきて十分に仕上がっています。走ることに前向きで、モーリス産駒ですが、比較的落ち着きもあります。力を出せる態勢です」と評価。粒ぞろいのメンバーがそろっていますが、要チェックですよ。
ハルヒメ(牝、父マインドユアビスケッツ、母ゴルトキルシェ)は、6月14日の函館・新馬戦(芝1000M)を予定しています。祖母ダリシアと言えば、伯父に11年のケンタッキーダービーや13年のドバイ・ワールドCを制したアニマルキングダムがいる血統です。こちらは24年のセレクトセール出身馬ですね。指揮官は「ゆくゆくはダートになるのかもしれませんが、気が良くて初戦向きです。今週も小林美騎手が乗って、いい動きでした。小柄で400キロくらいです」と手応えがある雰囲気です。
ティブロン(牡、父リオンディーズ、母ナイアガラモンロー)は、2回函館開催の芝1800Mを目指していくそうです。遠い一族には今年のエプソムCを制したセイウンハーデスがいる血統です。矢嶋師は「大型馬で530キロくらいありますが、いいですよ。牧場でも評価が高かったです。動きもいいですし、洋芝向きだと思います」とみています。
インテンスゲイズ(牝、父ゴールドシップ、母アイオープナー)は、5月30日にゲート試験に合格。このままデビューを目指していくそうです。母のきょうだいにはマイネルクラリティ、マイネルサーパスといったオープン馬がいます。指揮官は「ある程度距離があった方がいいです。ゴールドシップ産駒の牝馬ですが、おとなしいですよ」と評価しています。
そして以前も紹介したレッドスティンガー(牡、父レッドファルクス、母マレーナ)は、5月16日にゲート試験に合格して、5月24日に放牧に出ています。夏競馬の札幌・芝1500Mをデビューの青写真に描いているそうです。叔父のアウトライアーズは、芝の中距離でオープンまで出世して、17年のスプリングS2着、20年の小倉記念で3着など重賞戦線でも活躍しました。矢嶋師は「走ってきてくれそうです。順調にきていますし、マイル前後くらいじゃないかと思います」と、適性を評価しつつ期待を込めていました。
それでは今日のところはこのへんで。
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